結局モンドセレクションって何なんだよ!?
モンドセレクション最高金賞受賞!とよくCMやら商品POPなんかで目にする「モンドセレクション」。ちょいちょい何の意味もないしょーもない賞、なんて言う声も聞こえてきたりしますが、一体どういう賞なのか。ちょっと気になったので調べてみました。
モンドセレクションとは
出品者からモンドセレクションに送付された商品に対し、評論家などが審査を行う。審査基準は「味覚」「衛生」「パッケージに記載されている成分などが正しいか」「原材料」「消費者への情報提供」等の各項目の点数を加算し総合得点によって各カテゴリごとに優秀品質最高金賞、優秀品質金賞、優秀品質銀賞、優秀品質銅賞が授与される。
100点満点の90点以上で優秀品質最高金賞(グランドゴールドメダル)
80点以上で優秀品質金賞(ゴールドメダル)
70点以上で優秀品質銀賞(シルバーメダル)
60点以上で優秀品質銅賞(ブロンズメダル)wikiより
公式やwikiを見る限り、モンドセレクションとは1961年にブリュッセルに設立された国際品質評価機関。つまり受賞商品は品質に関してお墨付きをもらえるという趣旨の賞なんですね。おいしい食べ物、飲み物だからという理由で受賞できる賞ではないようです。
モンドセレクションの権威の無さは何故?
相対評価ではなく絶対評価で品質を保証してくれるというモンドセレクションがなぜ意味のない賞と呼ばれるのか。
それは2017年に放送された「ワールドビジネスサテライト」が発端になったようです。
2017年は、2965製品中420製品が最高金賞、1368製品が金賞と過半数が金賞以上に認証されており、90%以上の2691製品が銅賞以上に認証されているため[2]、90%以上が何らかの賞を受け取れるのは多すぎるのではないかと2017年にテレビ東京のワールドビジネスサテライトが報道した wikiより
モンドセレクションには評価を依頼するには1150€(約14万円)払うだけで良いそうなので、出品すれば90%以上がなんらかの賞を取れるのならば確かに意味が無いように思えます。加えて国際的な認知度も低く、出品の役5割が日本からの商品だそうです。また絶対評価で認定を行っているというものの、2017年までは製品の評価のスコアが非公開で受賞の理由が不明確であったことも疑念を持たれる理由だったのかもしれません。
ただ2017年の報道をきっかけに“評価シート”が導入され、味や香りなど項目ごとに獲得したスコアが明示され、企業に配布されるようになったということです。
モンドセレクション 評価の仕方
8名以上の審査員が20の項目から構成されるテイスティングシートを使用して視覚・聴覚・ 味覚・嗅覚・触覚を用いて行う「官能審査」と「商品ラベル内容」と「分析結果」が対応しているか調べる「成分分析検査(ラボ検査)」で評価されます。検査はすべてベルギー政府公認の機関で実施されるそうです。
官能審査と成分分析検査の評価結果の合計で以下のように評価されます。
最高金賞 | 90〜100点 |
---|---|
金賞 | 80〜89点 |
銀賞 | 70〜79点 |
銅賞 | 60〜69点 |
賞なし | 59点以下 |
モンドセレクション 官能検査 テイスティングシートの内容
以下7項目が評価されると言われていますが、詳しい項目や基準などは未だ公開されているわけではないそうです。
パッケージ
見た目
風味
香り
後味
食感 ・口あたり
調和感 ・ 全体的評価
そしてモンドセレクションはどうなったのか
2019年には3000の製品がモンドセレクションで優秀品質賞を獲得したと公式ホームページでうたわれています。報道なった2017年に2691点で応募点数の9割以上だった、ということを踏まえると2019年に3000点も受賞しているのであれば(2019年の総応募点数を見つけることはできなかったので憶測の域を出ませんが)多少透明性は上がったものの結局はお金を出して評価してもらえばなんらかの評価がもらえる賞というイメージはぬぐいきれていないのが現状なのではないでしょうか。
そもそもモンドセレクションの「賞」とは相対評価ではなく絶対評価であるため基準を満たしていれば取れる資格のようなものなのです。そもそもその「賞を獲得した」という言葉にはその他と比べて優秀だった、競争を勝ち抜いた末得た、というイメージがあるため、モンドセレクションの資格のような品質保証に「~賞」と名前をつけてしまっているから誤解が生じていると言えるでしょう。またその誤解こそが企業が欲しい肩書なのかもしれません。
ISOなんかのように「モンドセレクションの認証を取得」みたいに表現すればまだ実質的な権威が保たれたのではないでしょうか。まぁ、そもそも「さすがモンドセレクション金賞だ」なんて思ったことも気にしたこともないですが、結果お金を払ってもらえる賞でも「賞」と肩書さえついていればなんとなく安心してしまう日本人にはおあつらえ向けの賞なのかもしれません。