辛いの苦手な人向けにあえて激辛のススメ
人生のスパイス足りていますか?
個人的な話ですが最近色々人生的にルーティーンな事柄が増えてしまいなんだか目新しく面白いと思えることが少ないと感じています。そもそも人生40年も生きていると色々なことは大体知ったり、経験したりしていて新しい出来事ってなくなってしまうので刺激が少なく感じるのかもしれません。僕は何事も未知のことは大体面白いと確信していて、流行っていたり、手が出しやすい趣味だったりスポーツだったりは大体かじって来ました。何事も新鮮なうちが一番楽しいのです。
ですが、当然ながら色々なことをやればやるほど新しいものはなくなっていきます。もちろんお金をたくさん払えばできることはもっと広がりますが、身の丈にあった楽しみじゃないとなかなか続けることはできません。
それでも無理なく楽しめる何か新しいものはないものか日々探していたところ、ある日知り合った人が最近激辛にハマっていると言います。
激辛にハマるってなんだよ、と正直思いましたが話を聞いてみるとつまり「激辛の料理を食べること」「激辛の料理を食べている人(YouTuber)を見ること」にハマっているということのようでした。
え、いや、待って。激辛料理を食べてる人を見て楽しいの?
確かにテレビでたまに汗だくになって激辛料理を食べるような企画は定期的に放送されている気もしますが、そもそも辛い物が苦手な僕は全く興味もなく、むしろ芸人のアツアツおでんを食べる件と同じような感覚で見ていました。
ですが、激辛にハマっている人にすれば唐辛子で真っ赤になった料理を食べている人を見ると自分も挑戦したくなるといいます。「多分辛くて味がなんかわからないだろうけど」と付け加えながら。
ちょっと何を言っているかわかりませんが、確かに辛さには中毒性があってハマり始めると食べたくなると言います。
辛くて、痛くて、味がわからなくなるのに食べたくなる。なんじゃそりゃ?一体どういう心境なんでしょう?激辛マニアの心をつかんで離さない「辛さ」というものに逆に少し興味が出てきました。
そもそも僕は辛いモノが本当に苦手でCOCO壱番屋では甘口カレーを頼みますし、台湾まぜそばを食べる時は最低でも卵黄は2つ入れます。というか、ある一点を超えると辛いというか痛いばかりで味がしない。だから辛いものをわざわざ食べる必要はないと思っていました。それに新陳代謝良すぎの僕は辛い物を食べるとライブでモッシュしてきたくらい汗だくになります。
つまり僕にとって「辛い物」は比較的避けて通ってきた道です。もちろん苦手だから避けてきたのですが、避けてきたのなら自分にとって新しいはず。
かの秋元康先生も言いました。
「大人になったら初体験は自分で作るしかない」と。
そんな言葉を思い出しながら目の前でCOCO壱番屋の6辛を食べ、「6辛じゃ汗が出ないもんな、汗かきたいよな」という彼を激辛師匠と仰ぎ教えを乞うことにしました。
そして僕は人生に新たなスパイスを求め、激辛師匠に激辛料理のハマり方を聞きました。
激辛YouTuber
世の中には激辛料理に挑戦し続ける激辛YouTuberという人たちがいるそうです。そもそもYouTubeで「激辛」と検索する人口がいることにまず驚きましたが(笑)確かに「激辛YouTuber」というジャンルは存在しました。何人か教えてもらったんですがその中でなぜだか特に面白かったのが「くうしば」チャンネルの激辛ハンターの動画でした。
「くうしば」のメインコンテンツは配信者のしばさんが大食いに挑戦するというもののようですが、その大食いコンテンツではカメラマンをやっている「りゅうちゃん」がメインでやっている激辛ハンターがめちゃくちゃ面白かったです。激辛師匠に言わせれば、「りゅうちゃん」は激辛マニアとしてはさほどすごいというレベルではないそうですが、とにかく面白いのでということでまず見てみることにしました。
基本YouTuberの動画ってあざとい編集が多い印象で少し抵抗がありました。ですが「くうしば」はなんか見やすいです。しばさんとりゅうちゃんの絡みが面白いのか、りゅうちゃんが食べられなくてちょいちょいギブアップする様が面白いのかよくわかりませんが、編集でなんとか面白い風にしているんじゃなくて動画自体が面白いです。ただ人が辛いものを苦しみながら辛いものを食べるのを見るのがどうして面白いのかいまだによく理解できていませんが、とにかく「くうしば」の激辛ハンターは僕にとって数少ない見るに堪えるYouTubeチャンネルとなりました。
お二人は大阪をメインに活動しているようで大阪の激辛店の中でも辛いと評判の激辛料理を食べて回っていくという内容です。
初回はCOCO壱番屋の10辛を何分で食べれるか、という企画です。手を震わせながら辛いものを食べるって一体どんな感覚なんでしょう。6辛を一口もらった時は2、3口で味がわからなくなりそうだとは思ったけれど…。
その後どんどんと辛いモノに挑んでいくんですが、食べれば食べるほど慣れていくようでりゅうちゃんの辛さ耐性が上がっていくのも面白いです。
正直りゅうちゃんと同じものを平気で食べちゃう人もいるんですが、見る分には辛いモノをただ好きで食べれるだけでは面白さは少ないです。
激辛料理を自分でも食べてみる
激辛料理は世の中でも流行っているらしくコンビニでも激辛インスタントラーメンが売っているし、ちょうど今名古屋でも激辛グルメ祭りがやっているらしいです。
辛いモノは食べれば食べるほど辛さに慣れていき、辛いモノ好きはさらなる辛さを求めるようになると言います。つまりは辛いモノに挑戦しつづければ激辛マニアの境地にいつかはたどり着けるのだ、と激辛師匠も言っています(その境地に行く意味があるかはわかりませんが)とは言え、辛さの中に味を感じられたら美味しいと感じる料理は増えるような気もしますし、僕も少しずつチャレンジしてみようと思いました。
はじめはCOCO壱の5辛からチャレンジしてみてもいいかな、と思いましたがお店で食べきれなかったらちょっと忍びないし、正直おっさんが辛さにむせび泣いてギブアップするのはちょっと恥ずかしい。また食べられないほど辛いものって今まで出会ったことはありませんが、辛いモノを食べるだけで汗がハンパないので正直すぐに風呂に入りたいと思うと手始めにはコンビニのインスタントラーメンが良いような気がしました。
激辛師匠曰くコンビニのインスタントラーメンも結構な辛さレベルなのでそこから始めても十分だそうです。ということで近所のコンビニで買えるインスタント麺を3種買ってきました。
激辛師匠の言う辛さレベルの低いものから食べていきたいと思います。
蒙古タンメン中本 旨辛味噌
激辛師匠がまず推したのがセブンイレブンで買える蒙古タンメン中本シリーズ。激辛師匠との会話の中で頻繁にこのインスタントラーメンの名前が出ていたので気になっていました。激辛ラーメンで有名な中本の蒙古タンメンを再現したインスタントラーメンになっているそうです。
ふたをあけただけで辛そうなにおいが漂い、色も結構赤いので若干ビビりますが、食べてみると辛いけれど死ぬほど辛いというわけでもないです。くうしばの動画を見すぎて基準がおかしくなっているんでしょうか。
普段僕が選ぶ「辛いけどまぁピリ辛程度」というレベルは十分に超えてきていますが、辛くて味がしなくなるということはなく、普通においしいです。
僕は家でインスタントラーメンを食べる時必ず冷や飯をおともにするのですが、それも良かったのかもしれません。温かいご飯だと辛みが熱さで増幅されてどんどん辛く感じてしまいますが、冷えたご飯ならちょうどよい箸休めになるうえに、おいしくいただけました。
ただ、汗はかきます。だってスープ赤いですし…。食後辛さが収まり次第シャワーを浴びました。しかし、アリです。
普通においしい。外でシャワー浴びたくなるくらい汗をかきたくはないですが、自宅でシャワー浴びる前提で食べるなら全然アリです。自分で辛いモノが苦手だと思っていましたが、もしかしたら「辛いモノは汗をかくから嫌」という部分も大きかったのかもしれません。
蒙古タンメン中本 北極ラーメン 激辛味噌
激辛師匠曰くここからが本番です。旨辛味噌がレベル「5」であるのに対し北極ラーメンは「10」。以前の僕なら絶対に選ぶことはないでしょう。
本家北極ラーメンについてのコメントですが、中本氏曰く「北極ラーメンは辛さをストレートに味わう物」との事でトッピングも最小限にしたとのことです。おかげで麺以外は辛そうな成分しか存在していないかのようです。においも既に旨辛味噌を超えたスパイシーさがあります。
湯を入れて5分待つと「そりゃこうなるよね」というわかりやすく真っ赤なスープのラーメンの完成です。
一口すすってみると驚くほどの辛さではないですが、飲み込むと辛味のあとに苦味のようなうまみのような味が口いっぱいに広がります。そして二口、三口と進めていくと、口のなかに辛味が蓄積されているのがわかります。そもそも二口目にしてすでに口がヒリヒリします。また赤々としたスープを一口飲むと鼻にスパイスが来るー!
段々からさが口に蓄積されてくるとどんどん辛く感じては来ますが、間に白飯を挟めば普通においしいです。気づくと唇が1.5倍くらいの大きさになってるんじゃないかってほどヒリヒリしています。辛さのパンチは旨辛味噌とは段違いです。
しかし汗が滝のように流れます。エアコン効いた部屋で35度の屋外以上に頭から顔から汗が噴き出てきますが、そして確かにうまい。辛くて、口が痛いのになんか飲みたくなるスープです。これがクセになるってやつでしょうか。でもきっとお腹がおかしくなるので全部飲むのはやめておきました。
びっくりするほど辛いですが、それでも激辛ハンターのように食べられないほどじゃないです。よくよく考えると食べられないほど辛いものをコンビニで売ってもほとんどの人が買うことはないでしょうし、そりゃ食べれて当たり前かなとも思います。既にコンビニ層に受け入れられるギリギリMAXの辛さなのではないかと思います。
来来亭旨辛麺 辛さMAX
中本の北極ラーメンもかなり辛いのにその上を行くという来来亭の旨辛麺 辛さMAXは激辛師匠曰くコンビニカップラーメン史上最高に辛いそうです。北極ラーメンが僕の食べられるギリギリの辛さだと思ったのでその上行くと言われると、「食べてみたい」というより「どのくらい辛いのか知りたい」という興味だけしかありません。とりあえずふたをあけてみると…。
あれ、意外と赤くない…?
※まずは入れずにお召し上がりください????
スパイスの注意書きのエグさが恐怖心と怖いモノ見たさの両方を煽ります。指示どおりにまずスパイスを入れずにスープのみ入れてみました。
え、赤い…。お湯を入れたらこんなに赤くなるとか…赤い成分は表に見せない工夫なのでしょうか。一体何の意味が…。
それはともかくまずスパイスを入れずに食べろと注意書きにあるので言われたように食べてみました。
‥‥グハッ!!!!!!
一口目で盛大にむせます。ズズッっと麺をすすると辛い空気が原因なんでしょうか。のどへのパンチがハンパないです。スパイス入れる前からすでに中本の旨辛味噌を超えた辛さです。
でもちょっと辛さの質が違うような気がします。北極ラーメンに比べると、口に入れた時の表面的な痛みが強くそのあとやってくる苦みのような深みのような部分にちょっと空洞があるような…。なんにしても既に十分に辛いです。辛さの質は違えど、北極ラーメンの辛さと既に戦えるレベル。正直ここからスパイスを入れるとか意味がわからないです。
けれど、意味がわからないからこそ入れるのです。その領域にたどり着けばなぜ人は辛いモノを求めてしまうのか、もしかするとその答えの片鱗くらい見えるのではないでしょうか。
スパイス投入。
赤い…、赤い粉です…。ですが混ぜてしまうとビジュアルには全く変化はありません。確かに赤い粉を入れましたが、かなりの少量でしたし、「まずは入れずにお召し上がりください」と注意書きをするほど味に変化があるのでしょうか…?
と一口すすると、投入時のパンチはほぼ同じ…、やっぱり変わらないじゃ…うぁぁぁぁぁぁっぁぁあぁぁぁぁぁぁっぁっぁっぁ
辛い…ッ…スパイスを入れる前に味に厚みのなかった部分にあふれんばかりの辛みが溢れました。
やはりスパイスが入って旨辛麺辛さMAXは完成なのです。スパイスを入れる前と後では辛さも段違いになりました。何しろ麺が通過していった場所が痛いです。具材のニラと辛みの相性がとても良いですが…。
これは結構つらいからさです。ていうか、つらいって漢字とからいって漢字って同じなんですね…。今初めて知りました…。
3口食べたあたりで汗も北極ラーメン以上に額から流れ落ちます。スープは決して飲みきれませんが、麺だけなら問題なく食べられます。ただ、かなり辛いです。空腹時に食べたら僕なら間違いなくおなかが痛くなるやつです。ただ不思議と痛い割には唇も北極ラーメンほど腫れている感じはしません。麺は食べられるし、おいしいけれど北極ラーメンに比べると食べるほど積もっていく胃への違和感が大きい気がします。
結局麺は問題なく完食でき、スープは2口くらい飲んでそれ以上手が出なかったのです。その後、口の辛さがおさまってスープが冷めた今もう一度スープを飲んでみると結構おいしい…と思いスープがのどを通る瞬間に「辛ッ!!!」となりました。スープが熱いうちは味がよくわかっていなかったようです。
来来亭旨辛麺辛さMAXは今の僕が食べられる本当に超ギリギリの辛さなんだろうと思います。本当は今すぐにでもシャワーが浴びたいですが、全く汗が止まりません。段々胃の違和感も痛みに変わってきたような…。胃の違和感は残っていた味噌汁を飲むと少しよくなりました。
これは確かにヤバい辛さです。辛いものが得意な人以外は覚悟が必要な食べ物です。
辛いの苦手な人向けにあえて激辛のススメ
普段辛いものを避けてきた僕の正直な感想を言えば、蒙古タンメン旨辛味噌、北極ラーメンまでは辛さ込でおいしいのでまた食べたいと思います。ただ来来亭旨辛麺辛さMAXはまだ胃に違和感の残る今「次また食べるか?」と自問自答してもちょっと回答は保留したいです。…と、書いて自分で若干驚きました。1杯食べただけで明かに体にダメージが残ったのがわかっているのにもう二度と食べたくない!とはどうも思えませんでした。ただ、僕場合食べたあとシャワーが浴びられる環境で食べたいですが…。
人はなぜ辛いものを求めてしまうのか。実際に辛いものを食べても、正直理由はわかりませんでした。でも辛い、痛いとわかっていてももう一口飲んじゃおっかな、なんて思ってしまう引力は間違いなくあるのを感じました。
特に辛いモノについての知識もなかったのでネットで調べてみると、人間は辛いものを食べると脳内麻薬が出るという記事を見つけました。食べるだけで脳内麻薬が出せるならそりゃ食べたくなるのも納得です。辛いモノには中毒性がある、なんてよく聞きますがそういう仕組みだったんですね。
辛いものを食べることにより、脳内物質のエンドルフィンとドーパミンが放出されます。エンドルフィン(β-エンドルフィン)は苦痛などの痛みを感じた時に放出される物質で、鎮痛作用があると同時に多幸感をもたらします。一方、ドーパミンは快感を増幅させる作用があります ~辛味は脳内で“痛み”と認識されている? 辛い物が得意な人や好きな人は何が違う?
上記脳内麻薬の件がもしかしたらすべてかもしれませんが、普段辛いモノを食べない人が辛いモノを食べるのはそれだけで面白いです。食べ物で遊ぶのは良くないですが、辛いものにチャレンジすれば文字通り新しい刺激をもらうことができます。近くにコンビニさえあれば200円で楽しめますし、おなかも満たされます。むしろ僕のように辛いモノが苦手で避けてきた人ほど新鮮な感覚が楽しめるかもしれません。最近退屈だなー、と思ったり、普段の生活にちょっと飽きてきたら、ちょっと変わった発想ではありますが激辛料理を食べてみるのも良いと思いますよ。ぜひやってみてくださいね(自己責任で)
※激辛師匠曰く、本当に辛すぎるものを無理に食べると胃痙攣を引き起こすことがあるそうです。そうなると救急車を呼ぶ羽目になってしまうので激辛料理にチャレンジしてみる際は無理をせずに胃の違和感に限界を感じたら、数分前の辛いモノにチャレンジしようと思ったバカな自分を責め、食べ物を粗末してごめんなさいと土下座する勇気をもってギブアップしたほうが良いそうです。ご安全に。
来来亭の旨辛麺辛さMAXは東海地区限定なのかネットでは見つけられませんでした。中本はamazonにありますが、全国のセブンイレブンで買えると思うので直接セブンで買ったほうが断然安いです。