スマホの安い買い方とは?2年縛りの廃止後を考える
携帯キャリアの2年縛りが10月からなくなるらしい…とは聞こえてくるものの、2年縛りがなかったらスマホを機種変更したい時どうするのが賢いのでしょう。
例えばiPhone11が欲しいけれど、2年縛りで端末が安くならないならdocomo、au、SoftBankでスマホを買う意味が無くなるのでしょうか?今までは2年縛りがあったおかげで安くスマホが手に入れられていたということを考えると自然とそう考えてしまいます。
ということはSIMフリー版を購入してYモバイルやUQなどの格安回線を使うのが一番安くなるということでしょうか。
2019年10月からの2年縛り契約廃止に伴い、これからスマホを買う時スマホの価格は結局どうなるのか調べてみました。
Docomo, au, Softbank 大手キャリアの新しいスマホ購入プラン(スマホ返却プログラム)
調べてみると大手キャリア3社は各社とも2年後の端末の下取りを前提にスマホの販売価格を割り引くというプランを発表していました。値引きを受けるためには各社共2年後にスマホを返却するのが条件です。
Docomo スマホおかえしプログラム
36回の月賦払いを24回支払った後、スマホをDocomoに返却することでのこりの12回分の支払いが不要になるというプランです。
Docomo回線への契約は必須です。
au アップグレードプログラムdx 10月1日から
48回の月賦払で24回支払った後、スマホをauに返却することで残り24回分の支払いが不要になるプランです。プログラム利用料として月額390円必要になります。
他キャリアのユーザーも対象となります。他キャリアのユーザーも対象になりますが、25か月後以降のスマホを返却時に、auから再度スマホを購入することが条件になっています。
当初割賦で購入すると100日間SIMロックが解除できないという話でしたが、総務省からのお達しでSIMロックは即時解除できる模様ですのでauで端末を購入して、他社の回線を使用することが可能になるという話が出ています。ですがauショップに確認したところ2019年9月30日の時点ではまだ100日後にSIMロック解除という縛りは変わっていませんでした。
au アップグレードプログラムex/ex(a) 9月30日で終了
上記とほぼ同条件ですが、auの回線契約が必要なプランです。スマホ代金48回払いを2年後のスマホ返却で24回払いにできます。au回線の契約は必要ではあるものの、返却時にauから再び端末を購入する、という条件はありません。
SoftBank 半額サポート+(プラス)
48回の月賦払で24回支払った後、端末をSoftBankに返却することで残り24回分の支払いが不要になるプランです。プログラム利用料として月額390円必要になります。
他キャリアのユーザーも対象になりますが、「25か月後以降のスマホ買い替え時にソフトバンクが指定する方法で指定機種を購入する」という条件が付くのはauのアップグレードプログラムdxと同様です。
またSoftBankもSIMロックは即時解除するよう総務省から要請があり、他社の回線を利用することができるようになるそうですが、こちらも2019年9月30日現在はまだ100日間SIMロックの解除はできなくなっています。またSoftBank回線を利用することが条件だった半額サポートは9月12日で終了しています。
結局スマホ返却プログラム系のプランは価格の半額を支払ってスマホをレンタルするようなもの
スマホ購入プランとは言いますが、結局のところ2年経ったら返却することが求められるため、結局2年間スマホをレンタルするのと変わらないと言えるでしょう。もちろん、2年後も残額を支払い続ければ、スマホを返却する必要はありませんが…。
スマホ返却プログラムを使ってiPhone11を購入するとどうなるか
※消費税は8%で計算
Docomo
iPhone11 一括価格:85,536円
スマホおかえしプログラムを利用すると
2,376円(36分割)×24か月= 57,024円
※2年後スマホをdocomoへ返却
au
iPhone11 一括価格:88,992円
au アップグレードプログラムexを利用すると
1,854円(48分割)×24回 + 9,360円(プログラム利用料390円×24回) =53,856円
※2年後スマホをauへ返却
SoftBank
iPhone11 一括価格:89,280円
1,860円(48分割)×24回 + 9,360円(プログラム利用料390円×24回) = 54,000円
※2年後スマホをSoftBankへ返却、かつ新しいスマホをSoftBankで購入
総負担額としてはauが若干安く、次いでSoftBank、3000円ほど差が開きますがdocomoという結果になります。
ちなみにAppleから直接購入すると
iPhone11 :80,784円(税込)
スマホ返却プログラム注意点
SoftBankの半額サポート+を利用した場合SoftBankの回線を契約する必要はありませんが、2年後に新しいスマホをSoftBankから購入しなければスマホ代金半額免除を受けられません。またauのアップグレードプログラムdxも同様に回線契約は必要ないものの、2年後にauからスマホを購入する必要があります。
※9月30日までのauのアップグレードプログラムexならau回線の使用が求められますが、2年後にauからスマホを購入する必要はありません。
スマホ返却プログラム まとめ
2019年10月から回線契約とスマホ購入をセットにした割引の上限が2万円となるため、従来のようにスマホ価格を値引きできなくなり上記のようなスマホ返却プランが始まりました。ただ、SoftBank、au(10月1日から)共に足並みを揃えたプランになっていて、半額負担免除を受けようと思うとauで購入したならau、SoftBankならSoftBankで2年後にスマホを購入しなければなりません。ただ、9月30日までならauのアップデートプログラムexを使えば2年後の購入先は条件に入っていませんので、2年後必ずauでスマホを購入しなければいけないという心配はありませんが、au回線の契約が必須となります。
Docomo | スマホおかえしプログラム | 36分割割賦で購入し2年後スマホを返却することで12回分の支払いを免除 | 回線契約:必要 | 2年後購入先: 縛りなし |
利用料: なし |
au | au アップグレードプログラムex (9月30日まで) |
48分割割賦で購入し2年後スマホを返却することで24回分の支払いを免除 | 回線契約:必要 | 2年後購入先: 縛りなし |
利用料:390円 2年で9,360円 |
au | au アップグレードプログラムdx (10月1日から) |
48分割割賦で購入し2年後スマホを返却することで24回分の支払いを免除 | 回線契約:不要 | 2年後購入先: auから購入必須 |
利用料:390円 2年で9,360円 |
Softbank | 半額サポート+ | 48分割割賦で購入し2年後スマホを返却することで24回分の支払いを免除 | 回線契約:不要 | 2年後購入先: SoftBankから購入必須 |
利用料:390円 2年で9,360円 |
10月1日以降も、docomoのスマホおかえしプログラムなら2年後の購入先が条件に入っていないため、スマホ返却後のスマホの購入先は自由に選ぶことができます。ただしスマホおかえしプログラムはdocomo回線の契約が必要で、スマホ価格も若干他社よりも高くなります。docomo以外は半額免除に対してdocomoは3分の1免除になっており、docomoの免除額が少ないように見えますが、au、SoftBankではプログラム利用料として月額390円(2年で9,360円)かかるので、iPhone11で考えると3,000円程度しか違いません。逆に端末価格が高いものを購入する場合はDocomoと他社の価格差は広がってしまいます。
●iPhone11シリーズで価格差が最も大きい例 iPhone 11ProMax(512GB)を購入した場合:
Docomo:119,232円(36回分)
au: 90,792円(24回分)+9360円(プログラム利用料)=100,152円
SoftBank:93,840円(24回分)+9360円(プログラム利用料)=103,200円
この場合2万円近く変わってくるので購入の際は検討すべきかもしれません。
個人的にはそもそもau、SoftBankのように2年後にまた同じ会社からスマホを買わないと半額にならないという条件はちょっと抵抗がありますが、現状ハイエンドスマホを安く手にいれようと思うとau、もしくはSoftBankのスマホ返却プログラムを使ってスマホを購入し、格安携帯で回線を契約、2年後にスマホを返却するのが月のデータ使用量が少ない人なら月額的には最も安くあがりそうです。
スマホ価格は将来的にどうなっていくか
例えばauかSoftBankのプランでスマホを購入すると、2年後新しいスマホを同じ会社で購入しなければなりませんが、その時再び2年後の購入を条件にされる可能性があります。こうなると、結果消費者は2年おきに同じ会社からスマホをエンドレスで購入することになりかねません。これがどれくらい代理店の競争に影響するかわかりませんが、ずっと購入し続けるというお客を作ることができるならキャリアとしてもこれは強い縛りになるので、どんどん販売を推奨するのではないかと予測します。回線契約とセットで端末を安くはできませんが、代理店が単純に端末価格を下げることはできるはずなので、結果として代理店の値下げ競争が激しくなる可能性があると思います。
ただ、同時に顧客を囲い込む性質の強いこのプランは政府が規制してくるという可能性も高いと思います。au、SoftBankのスマホ返却プランも総務省のお達しで即時SIMロック解除ができる状態でのスタートになりそうですし、政府とキャリアの攻防が落ち着くまでもう少し時間がかかりそうですね。